スーツやジャケパンに合わせるコート。チェスターコート、バルマカーンコート、トレンチコート、タイロッケンコート、アルスターコート……。選択肢はさまざまです。
では、スーツによく合うコートとは、いったいどんな一着なのでしょうか。
個人的には、スタイルや着こなし次第で、その答えは大きく変わると考えています。大切なのはコートの種類だけでなく、全体の雰囲気や合わせ方、着用するシチュエーションまで含めて考えること。
今回は代表的な4種類のコートを取り上げながら、それぞれの特徴と魅力をご紹介します。そのうえで、ベーシックで合わせの幅も広く、大人のワードローブに一着あると頼りになるコートについて考えてみます。
シングルチェスターコート

最もオーセンティックなコートの一つ、シングルチェスターコート。その魅力は何といっても汎用性の高さと、さまざまな顔を持つ懐の深さにあると思います。
生地選びや仕様次第で、仕上がりの印象は大きく変わります。例えば、フロントを比翼仕立てにしたり、上襟にベルベットなどの別素材を用いたりすれば、格式ある装いにもふさわしいフォーマルな表情に。一方、芯材を軽くし、身体に沿いすぎない適度なゆとりを持たせれば、柔らかく日常使いしやすい一着になります。
スーツやジャケットに合わせるのはもちろん、仕立てや素材によってはデニムやコットンパンツと合わせても自然になじみます。ドレススタイルからカジュアルまで、幅広い着こなしに対応できるのがシングルチェスターの大きな魅力です。
ダブルチェスターコート

フロントがダブルブレストになったチェスターコート。シングルに比べてよりクラシックで、重厚感や貫禄を引き出しやすいデザインです。
打ち合わせの分量もあり、全体にゆとりを感じさせるシルエットのものも多く見られます。
存在感のある一着だからこそ、ラペルの幅やボタン選びも重要なポイント。ラペルを広く取れば力強くクラシックな印象に、ボタンの素材や色を変えれば、同じ生地でも表情が変わります。
秋冬の装いに重厚感を加えたい方や、クラシックなスタイルを楽しみたい方におすすめしたいコートです。
アルスターコート
一見するとダブルチェスターコートとよく似ていますが、特徴の一つが「アルスターカラー」と呼ばれる襟の形状です。上襟と下襟の幅が近い、あるいは上襟がやや広い形などが見られます。

北アイルランドのアルスター地方に由来する防寒用コートを背景に持ち、バックベルトやパッチポケット、ターンナップカフなど、伝統的なディテールを備えたデザインも特徴です。
ダブルブレストならではのクラシックさがありながら、ディテールや素材によってはチェスターコートよりも少しスポーティーな印象に。ドレススタイルにも、ジャケパンを中心とした装いにも取り入れやすい、奥行きのあるコートです。
バルマカーンコート

日本では一般的に「ステンカラーコート」として親しまれている、クラシックなコートです。見た目のデザインは比較的シンプルですが、だからこそ生地の質感や色柄、シルエットによって印象が大きく変わります。
滑らかなウール素材なら都会的で洗練された雰囲気に。ツイードなど表情豊かな生地を選べば、カントリー調のクラシックなスタイルにもよく合います。シンプルであるがゆえに、素材選びの面白さが際立つコートと言えるでしょう。

シルエットは好みによるところもありますが、肩から裾にかけて広がるAラインや、肩線がなく自然な落ち感を生むラグランスリーブは、バルマカーンコートらしい特徴の一つ。スーツだけでなく、休日のカジュアルスタイルにも合わせやすい、汎用性の高い一着です。
自分のスタイルに合った一着を
コートの魅力は、種類の名前だけでは決まりません。生地の質感や色、シルエット、襟の形、ポケットやボタンの仕様。細かな選択の積み重ねによって、その一着ならではの個性が生まれます。
既製品から好みの一着を探す楽しみがある一方で、自分の着用シーンや好みに合わせて、生地やディテールを選びながら形にしていくのも、服好きにとって大きな楽しみの一つです。
ESSEVEでは、スーツやジャケットだけでなく、コートのオーダーも承っております。着用シーンやお好みを伺いながら、生地選びからシルエット、細かな仕様まで、一着づくりをお手伝いいたします。
「仕事で着るスーツに合わせたい」「手持ちのジャケットに合うコートが欲しい」「長く着られるベーシックな一着を仕立てたい」など、具体的なイメージが固まっていなくても大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。
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コートの生地やシルエット、細かなディテールまで。着用シーンやお好みを伺いながら、理想の一着づくりをお手伝いします。
